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2011/01/15

【白山山系のクマタカ写真】

撮りためてきた白山山系のクマタカの写真少し蔵出しします。kumataka-04.jpg

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2011/01/09

【クマタカの生態】

普通、「クマタカ」に抱いているイメージと言えば、格好よく舞っている姿。
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 しかし、その実態は、こんなもの。カラスやトビに追い回され遁走するのが普通
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 ひたすら逃げるクマタカ。追うカラスの方が猛禽らしい。実際のところは、つきまとう、というのが本当のところなのだが…kumataka-oi3.jpg

  カラスは何時もしつこく絡む。身体の一部に食いつくこともある
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  イヤイヤをしながらひたすら遁走をするクマタカ。カラスの方が上から見下ろし動じる気配がないkumataka-dn2.jpg

  下の画像、次の瞬間には、新手のカラスの攻勢に出会い、折角、咥えた獲物を落としてしまう。 クマタカの捕食活動はこんな苦労を乗り越えなければ餌にはありつけないのが実態。
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 上の追われるクマタカの撮影は3月。反転攻勢、追っているこのクマタカは6月の撮影。おそらくその近くには、巣立ちを控えたヒナの存在があったのではなかろうか?
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 上記の様に見ると子育ての時期の行動の態様が読み取れるようである
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 クマタカは、人間の生活圏の近くにまでそのエリアを広げるので、当然、トビやカラスと餌場の関係で競合関係に入る。それが、トビやカラスのつきまといを招くわけだが、食する対象の餌に関しても、雑食性のトビやカラスと食物連鎖の接点を持つ、ということが、なを一層、生存環境を厳しくしているのだろう。しかも人間は、今後、ますますその生存の領域を広げる活動を止めない。それでも、旺盛な生命力と知恵を発揮するカラスやトビはそこに又対応していくだろう。しかし、果たして、クマタカにその知恵や力が発揮できる能力があるだろうか?

2011/01/02

【イヌワシとクマタカの関係】

明けましておめでとう御座います。以下は、これまでに紹介してこなかった個体の掲載であります。
             「個体№1」と記録されている個体です。
右翼、第3番目の初列風切り先端部分の小さな切れ込み傷と、左翼6番目の初列風切り中程の傷が特徴。      撮影:09年12月1日
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     「個体№2」と記録してあるクマタカ。撮影:09年12月
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                上と同じ「個体№2」kumataka-006.jpg

 「個体№1」とばかり思ってきたのだが、「個体№2」の可能性も?…kumataka-003.jpg

   このエリアの若い個体。前々回「個体C」と紹介した個体、「個体№4」
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上の個体と一時期よく一緒に行動していた「個体№3」、「個体№4」の親鳥。♀の方だろう。腹部に渦巻き状の癖毛のような“紋様”がある。
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  この場所は、「イヌワシ」と「クマタカ」の「共有スペース」と、言っても良いような地点である。若い個体の「クマタカ」と親鳥が一緒に出没し、ここが「クマタカ」の営巣場所であることを伺わせるに足る充分な行動。そして、出没する「イヌワシ」のコースのとり方等を総合した、ここ数年の観察の結果、“家主”は「クマタカ」であることに相違はない。そこに「イヌワシ」のツガイが出没する、という構図になっている、ということも間違いはない。この地点での「クマタカ」と「イヌワシ」の行動が、「イヌワシ」と「クマタカ」のエリアに関する強い疑問と興味を持ち始める動機になり、「何かが解る!」と観察を深めていく契機になった。
   このエリアに現れる「イヌワシ」のツガイ。撮影:10年11月7日
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  もつれ合いながら去っていく「イヌワシ」のツガイ。この場所が彼らにとって何時までも安住の地であるよう祈りたい。
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  基本的に「クマタカ」のエリアは、或る領域を持った境界があり、常時、その領域に異常がないかを見張る行為等によって守られているようである。しかし、「イヌワシ」のエリアは、少しその性格を異にしていて、少なくとも白山山系における「イヌワシ」のエリアは、「クマタカ」と同様、生活領域としての性格を持ちながら、捕食活動の拠点、即ち、生活拠点としての性格を併せ持つ、という点で違う要素がある。別の表現をすれば“出撃拠点”としての性格を持つ点で違う側面があると見て良いだろう。

 基本的に「イヌワシ」は、その天険の要害に守られた拠点を中心に、夏場は比較的豊富な蛇等を常食にしながら、秋場以降には、その“出撃拠点”から複数の「クマタカ」のエリアを横断しながら、捕食活動を行っている。「イヌワシとクマタカは、互いに相手側のエリアを犯さないことで、共生関係を維持している」と、一部で言われてきた説は“誤”りで、横断重複している部分を含んだ環境が基本になっている。これらの行動類型は、谷川を挟んで両面にある「クマタカ」のエリアを横断しながら捕食活動をしている、或る「イヌワシ」の個体の存在でも確認できた。
 また、「「イヌワシ」が標高の最も低いエリアで営巣している「クマタカ」のエリアにまで来ていた」、と強調しながら証言していた、信頼できうる麓住民の証言もあった。

 また、白山山系には、人間の目には、一見、平面的な山腹にしか見えない場所が、実は、野鳥の世界では、空間的に、餌場としての強い関心を引く“三叉路”や“四差路”の様な性格を帯びている箇所があって、そこには、時間差的に、別のエリアから侵入する複数の個体が現れる場所になっている地点がある。この地点で表現されている現象は、基本的な縄張りを持ちながらも、彼らの焦眉の関心事は、やはり生存を保証する捕食に関する問題が中心であることを意味している。それは「イヌワシ」の直線・横断的な行動の本質が、環境的に厳しく追い詰められてきたことから生じた、生きるための自己防衛の本能から生まれた裏返しの行動形態である、と言ってもよいものだろう。
 
 普段、「イヌワシ」や「クマタカ」は、「大空の王者」「食物連鎖の頂点にいる」などの表現で扱われているが、実際の捕食活動に於いては、「トビ」や「カラス」の牽制、妨害、追撃を受けないで、そう簡単に獲物にありつけるほど、その環境は甘くはない。特に、白山山系には、体格的に、「イヌワシ」や「クマタカ」に負けないほどの大型のトビがいる。獲物を巡っては、彼れらは、果敢に「イヌワシ」や「クマタカ」に挑みかかって行く。「イヌワシ」の生活拠点が、その生存に必要なほどの胃袋を満たしてくれる空間であるならば、なにもそのような苦労を覚悟してまで、そこから飛び出していく必要がないのである。実態は、トビやカラスと一緒に死んだカモシカの腐肉を喰らい、時には、獲物を前にして追い返されていくこともある。それほど“生活”の苦労を背負って生きているのが、特に、白山山系の「イヌワシ」の実態である。

 「エリア」は基本的に固定的なものではなく、常時、押しつ押されつしながら、流動化する要素を持ちながら維持されている。基本的に陸上の動物と同じく、適者生存の厳しい自然の摂理の中で生きているのには変わりはない。常時、と言っても良いほど彼らは“他人”の領域に押し入ってでも、獲物にありつかねばならないという本能を持ちながら行動している。山系に於いては、それだけ、彼らの胃袋を満たしてくれる獲物の存在が乏しくなっていることの証左でもある。特に、中型捕食動物の代表格のウサギの痕跡が殆ど見あたらない。或る猟師さんの、「道路上に、近距離まで近づいても動かずにいた「イヌワシ」がいた」「カメラを持って行けばよかったのに…」と後悔しながらの証言もあった。よほど体力を消耗させていたのだろう。今「イヌワシ」が置かれている実態の一端を表現しているものである。

 また「イヌワシ」に限って言えば、記録を取り始めた、07年に若い個体に一度遭遇して以来、この数年、未だ若い個体に出会ったことがない。「クマタカ」の場合、私一人でカメラに納めた識別個体は15個体(内、若い個体が3個体)に上るが、「イヌワシ」の場合、カメラに納めた識別個体が4個体、識別不能ではあるがその行動パターンから別個体と推定しているのが1個体、視認によって出没地点を確認している個体が1個体、猟師さん、集落住民の証言等から出没地点を推定している個体が2個体、福井県側を入れて+1個体である。私の行動能力と行動半径の狭さを勘案しても、繁殖能力を著しく退化させている現象を認めない訳にはいかないのが現状だ。「イヌワシ」はその個体数の少なさからも、種の保存を維持していくには極めて厳しい環境にある。

 ただ、白山山系では厳しい冬の季節が人間の無用の接触を阻んでいるという利点があり、このことが、少し幸いしているようである。また、落石、崩落、倒木などの自然の働きが彼らの種の保全と環境保全に役立っている、という部分がある。また、白山山系は国立公園を含むが、その殆どは私有権者の土地によって占められているという。私有権を持った人達は殆ど例外なく自身の土地への他人の出入りを嫌う。山系は、常にこのような集落住民の慣習、観念の元で監視されている部分が強くある。実は、このことが、人の出入りを阻み「イヌワシ」と「クマタカ」の生存に必要な環境の保全に役立っているという側面がある。

 「自然はありのままにしておくことが一番」という、何処かで聞いたような台詞である。しかし「イヌワシ」の営巣場所が道路工事によって発見され「その後のことは解っていない」というのが実際にあった。現地を確認すると、そこにどうして道路が必要だったのか、未だに合点がいかない、そういう性格の道路工事であった。環境保全の大事なことを解っていながら、そこに無理にでも入り込もうとする人間の性を、どうコントロールするのかが課題である。解りきったことを言ってはいるが、しかし、それが動かし難い現実である。

 なを、或る場所では、そのエリア境界が比較的整然と守られている幾つかのエリアが交叉する接点があって、そこでの行動類型が、「一般論」として、「イヌワシ」と「クマタカ」のエリアに関する“領域不可侵”の説を生んだようであった。ここでの「イヌワシ」と「クマタカ」の関係は、その一辺に、活発に活動している人間の生活圏の存在が強く影響して出来た「秩序」の様に見えた。「クマタカ」は人間の生活圏を自身のエリア周辺にまで広げる。しかし「イヌワシ」は人間の生活圏には決して近づこうとはしない。この両者の習性の違いが作り上げた「秩序」である、と思えた。以上、体験に基づいた「小論考」でありました。


 新年早々、長広舌を並べてしまいました。勿論、素人の見解、至らぬ点は広くご寛容を…。※なを、この欄に記載されている内容への検証、具体的情報の提供等への協力には応じられません。